「1歳も数ヶ月過ぎたのに、子供がおっぱいから全然離れてくれない」
そんな風に悩むママは多いものです。
おっぱいがそばにないと泣き続けたりすると、ママは心身ともにくたくたになってしまいます。
特に次の妊娠を考えている場合は、授乳し続けていると子供ができにくいこともあります。
上の子がいる場合はかまってあげることもできなくなったり、おっぱいの悩みは尽きないものです。
この記事では、赤ちゃんがおっぱいから離れない理由と、離れてもらうための対策を考えてみました。
子供が授乳から離れないのはよくあること
子供が大泣きして手に負えなくても、
「授乳させたとたん、急に眠った」
という経験のあるママは多いでしょう。
しかしそれを繰り返していると、おっぱいから離れなくなる子も多いです。
子供がおっぱいを求めて泣いたり暴れてしまうのは、どういう気持ちからなのでしょうか。
甘えたい気持ちの表れ
おっぱいを吸いたがるのは、お腹がすいているからだけではありません。
以下の体験談のように、ママに甘えたい気持ちがまだまだ強いのかもしれません。
3人兄弟の末っ子の2歳の子どもは、2歳4カ月ぐらいまで夜だけ授乳していました。
そのためか、おっぱいに対する執着があるようで、泣いた時はもちろん、テレビを見ている時なども洋服の中に手を入れておっぱいを触ります。
外出した時も人目をはばかることなく触ろうして恥ずかしいですが、拒絶すると大泣きするのでそれもできません。
抱っこしたり一緒に遊んだり甘えさせているつもりですが、まだまだ愛情不足なのでしょうか?(40代・女性)
引用:ママからの相談:「離乳した2歳の子どもが、おっぱいへの執着が強く困っています」
「1歳を過ぎたら、自然とおっぱいを求めなくなるはず」
と焦り、おっぱいを触りたがるのに無理に断乳するママもいます。
しかし
「2歳でおっぱいから離れられなくても、異常ではない」
と教えてくれる産婦人科の看護師さんもいます。
甘えたい時は甘えさせてあげて、ママの心身が本当につらい時は触らせずにやりすごすなど、メリハリをつけると良いかもしれません。
授乳が終わるまで無理に引き離す必要はない
おっぱいは子供にとってママの象徴のようなもので、安心するためには不可欠です。
子供にきちんと説明することなく無理やり引き離すと
「ママに愛されている」
という安心感を失ってしまうかもしれません。
子どもは母親のおっぱいに触ったり、だっこやおんぶ、添い寝をしてほしいと言うことで、母親との心の結びつきを求めます。
それが受け入れられると「愛されている」「安全」という気持ちになります。(精神科看護師)
授乳から離そうとして、あまりに泣き暴れたりして情緒不安定になる時は、
「おっぱいは〇〇ちゃんがちゃんと大きくなってくれたから、少~しお休みするんだよ」
など、優しくかみ砕いて説明してあげるのも良いでしょう。
こうした授乳の悩みは、飲み始めた生後すぐからと、離乳食に慣れ始めて卒乳や断乳を考える時期に増えるものです。
思い切って断乳するのも一つの方法
母乳は赤ちゃんには欠かせない栄養が満点ですが、生後9ヶ月を超えると栄養面では、授乳が絶対必要というわけではありません。
次の妊娠を考えていたり、育休が明けて仕事に復帰しなけらばならないなど、ママにだっていつまでも授乳できない理由がありますよね。
そんな時は思い切って断乳してみるのも、一つの方法かもしれません。
ママがしんどいなら心を鬼にしておっぱいをあげない覚悟
ずっと母乳のみで育てていたママ、母乳と粉ミルクで混合だったママ、粉ミルクのみだったママがいると思います。
どんなママでも必ず離乳食に挑戦し、いずれはミルクを卒業させることになります。
母乳や粉ミルクから、完全に離乳食に移行し断乳するタイミングは、以下のことができているかが目安となります。
- 母乳からだけではなく、栄養と水分がとれる
- ママも子供も体調が安定している
- 子供がストローやコップなどを自分で上手に使える
- ママやパパに、離乳を見守る時間や、気持ちに余裕がある
おっぱいは栄養を与えるだけではなく、子供のとのスキンシップに欠かせないものです。
しかしあまりに授乳に執着されると、身体も大きくなり吸う力も強かったりして、ママも笑顔で接することができなくなるものです。
子供にはママの笑顔が一番です。
あまりにしんどい場合は元気に育児するために、心を鬼にしてあげない覚悟も大切です。
子供に断乳をすることをきちんと説明する
断乳する際には、以下のようなことがポイントです。
- 1カ月前から「おっぱいともうすぐバイバイだからね」と子供に説明しておく
- ベビーマッサージをして、マッサージの後に寝かせる習慣をつけておく
- 「もういらない」と思うほどたくさん吸わせてみる
特に、子供に事前に時間をかけて断乳することを説明しておくことは大切です。
「小さいし、言ってわかるものではないのでは?」
と思うかもしれません。
しかし断乳する意味はわからなくても、ママの覚悟はしっかりと伝わります。
また、以下の動画が説明するように、ベビーマッサージをしてから寝かせるようにすると、添い乳やおっぱいを求めて泣くのを防げるようになります。
ベビーマッサージはおっぱいに代わる、ママと子供の絆の確認にもなります。
以下のポイントに心がけながら行うと良いでしょう。
- 口角をあげて歯を見せ、微笑みかけることを忘れない
- 子供の目の中にママの顔が映るくらい、子供の目をしっかりと見る
- 優しく声かけしながら行う
泣かれることに根負けしないこと
断乳すると初日から号泣され続けることもあります。
我が子に悲しそうに泣かれることは、ママにとって何よりつらいものです。
しかし我が子の成長のためにも、断乳したからには続ける覚悟も必要です。
ここで根負けしておっぱいを与えてしまうと赤ちゃんが泣けばおっぱいをもらえると学習し、断乳に失敗してしまいます。
断乳は1日目を乗り切ることができればほぼ成功といわれており、2日目、3日目と過ごすうちに赤ちゃんも諦めてあまり泣かなくなります。
一度始めた断乳は3日目までは続けるようにしましょう。
上記のように、断乳を始めてから3日は頑としておっぱいをあげないことが大切です。
断乳1日目はおっぱいが全くもらえず、突然の環境の変化にずっと泣き続けるでしょう。
根負けせずに2日目をやりすごし、3日目になると、諦めて泣き止むことが多いようです。
大泣きに我慢できても、おっぱいが張ることがつらくて断乳に失敗してしまうことがあります。
今までママの体で作られた量と、赤ちゃんが吸う量のバランスが保たれていたのに、断乳することで母乳が行き場を失ってしまいます。
その結果乳腺が詰まってしまい乳腺炎になったり、おっぱいの張りに悩まされがちです。
また、おっぱいが張るたびに搾乳(さくにゅう)していたら、いつまでも母乳が作られ続け、量が減らせません。
おっぱいが張るだけで他に痛みなど困った症状がない時は、できるだけ搾乳はせずにおっぱいを冷やすなど工夫してみましょう。
ただ、大切なのは、助産師さんや周りの育児経験者から
「泣いたら、すぐにおっぱいに触らせるのをやめないと」
など、指摘されることを全て真に受け過ぎないことかもしれません。
おっぱいのトラブルには、
「ママ自身がどうしたいのか」
が、一番の正解なのかもしれませんね。
断乳後おっぱいに執着したとき
多くのママは、激しく泣かれたりおっぱいを求めて大暴れする我が子に耐えられず、一度や二度は断乳に失敗してしまいます。
一度断乳に失敗すると2~3か月は間を空け、再び挑戦すると良いとされています。
このように断乳後おっぱいに執着し始めたときは、具体的にどのような態度をとると良いのでしょうか。
ルールを決めて触らせる
無理におっぱいを求める気持ちをおさえつけると、子供も不安になってしまいます。
「家の中以外でならおっぱいに触ってもいい」
など、「触ってはいけない」と禁止するよりも、「〇〇のときは触ってもいい」と子供の気持ちを認める形でルールを決めると良いでしょう。
以下の看護師さんの指摘のように、おっぱいから離れるのはそれぞれのタイミングがあり、見守ることが大切です。
無理に抑えると不安になってしまいますから、できる範囲で触らせてあげてください。
もう少し成長すると、おっぱいに触らなくても自分の気持ちをコントロールできるようになります。
毎日触っていた子が、ある日突然おっぱいに興味を示さなくなることもあります。
その時が卒乳です。
卒乳の時期は個人差があり、長い子では5歳までかかったケースもあります。
同じ兄弟でも成長過程は違いますから、見守ってあげてください。(産科・婦人科、精神科看護師)
スキンシップ等を増やして愛情表現をたっぷりする
おっぱいから離れさせるには、それに代わるスキンシップが必要になります。
ママが子供に声かけをするときの優しい語りかけ方、【マザリーズ】(語りかけ方)も有効です。
マザリーズは日本だけではなくどこの国でも、ママが子供に愛情を伝えたいときに本能的に使います。
以下のような4つの特徴に注意しながら、声かけするようにしてみてください。
- 高めの声や低めの声などメリハリを意識する
- 同じ言葉を繰り返す
- 子供が驚かない程度の高い声を意識する
- 聞き取れるよう、ゆっくりと間を取りながら話す
子供は幼ければ幼い程、音楽のように言葉を聞いているそうです。
「〇〇ちゃん、良い子ね~。好き好き。だ~い好き!」
など、歌うようにして目を見つめながら言ってあげると良いでしょう。
おっぱいをもらえなくても
「ママにこんなに愛されているんだ」
と子供が実感し、以下のようにおっぱいを嫌いになることなく執着が次第になくなるでしょう。
すでに行われていますが、言葉と態度で「こんなに愛しているんだよ」と大げさに示してあげましょう。
その子によって求める安定感・安心感の度合いは違うと思いますが、言葉と態度によって安全・安心と感じられれば、おっぱいを触る必要はなくなるはずです。(精神科看護師)
育児や家事に追われて余裕がなく、スキンシップをするとしても作業のようになってしまいがちです。
そんな時は時間をかけられなくても良いので、
「笑顔で、目と目を合わせて、優しい声かけで」
の3つを意識してスキンシップをとると良いでしょう。
語りかける言葉も出てこない時は、以下の動画のように歌いながら体をなでてあげるのも、子供には嬉しいものです。
まとめ
共働き世帯が増えて、イクメンという言葉も聞かれるようになり、
「育児=ママの仕事」
という意識も変わりました。
しかしおっぱいだけはママにしかできないため、旦那んさんにも悩みを共感してもらいにくいものです。
おっぱいから離れさせた後スキンシップが大事だと思っていても、ママが本当に疲れているときもあります。
そんな時は無理せず、旦那さんや支援センターの手を借りましょう。
まずはゆっくり休んで、余裕が出来た心と体で子供と向き合えると良いですね。
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