子育て中のお母さんの悩みといえば、毎日子どもをおんぶしたりだっこする事からくる腰痛ですよね。
日に日に重くなる我が子をおんぶしながら移動したり、家事をするだけでもかなりの重労働。
昔に比べると、抱っこ紐やおんぶ紐は改良され、お母さんの体に負担がかからないような構造に変化してきました。
とはいえ、やはり毎日の抱っこやおんぶはツライもの。
今回の記事では、腰痛の原因や負担を和らげるためにできる工夫、腰痛に効くストレッチなどについてお話していきます。
おんぶによる腰痛にはストレッチがおすすめ
腰が反っている状態だと腰痛になりやすい
腰が反った姿勢になっていませんか。
腰が反る状態は腰痛の原因の一つとされています。
特に妊娠中にお腹が重いことで、腰を反る姿勢が癖になり、産後もそのままの姿勢をとってしまうママは少なくありません。
腰が反った姿勢のまま、子どもの抱っこやおんぶを繰り返すことで、腰にかなりの負担がかかり腰痛につながっていきます。
反り腰の状態は、腹筋やお尻の筋肉をあまり使いません。
一方で太ももの筋肉が酷使されるため腰痛はもちろん、体の歪みや下半身太り、お尻の垂れなどのトラブルを引き起こすことも。
さらに長期にわたり上半身の体重を腰や股関節だけで受け止めていると、症状が悪化し、慢性的な腰痛やヘルニアなどの症状も招きかねません。
このように、反り腰こそが多くの腰回りトラブルの原因となっているのです。
膝を上手く使うと腰の負担を減らせる
抱っこやおんぶするために子どもを抱き上げる時、大半の人は子どもから少し離れて立ち、膝より腰を曲げてしまいます。
この姿勢はどうしても前かがみなりがちで、腰に大きな負担をかけることになります。
腰への負担が少ない抱き上げ方とは、一言でいうと「スクワット運動」に似ています。
◆腰への負担が少ない持ち上げ方
①子どものすぐ側に立ち、両足を肩幅より少し広めに開く。
②腰を伸ばしたまま、椅子に座るような感じで膝を深く曲げておしりを下に落とす。
※上体はまっすぐに
③その姿勢のまま子どもに手をかけ体に引き寄せ、膝を伸ばす力で立ち上がる。
④子どもを下ろすときも、腰を伸ばしたまま膝を曲げておしりをゆっくりと下に落とす。
この方法を意識的に実践すれば、腰への負担をかなり軽減することが可能です。
腰ではなく「膝」をしっかりと動かす事こそが、腰を痛めないための大切なポイントになります。
筋肉の緊張を緩めるのが大事
特に子どもの月齢が低いうちは、何をするにも抱っこやおんぶをしている状態が続きます。
腰の反りや猫背などの姿勢が習慣となり、長時間続けば続くほど血行が悪くなり腰の筋肉はガチガチに固まっていきます。
腰まわりの筋肉の凝りによる腰痛を改善するためには、筋肉の緊張をしっかりとほぐし緩めてあげることが大切です。
また、腰まわりの筋力をつけておくと、腰痛予防につながっていきます。
腰痛に効果的なストレッチとは
ここからは腰痛に効くストレッチ方法をご紹介します。
不調はため込まない事が大切なので、子育てで忙しいとは思いますが、ストレッチをこまめに取り入れて、都度解消していくよう心がけてくださいね。
背中と肩甲骨をよくほぐす
背中と肩甲骨をよくほぐすことで、上半身の血液とリンパの流れが良くなり、代謝が上がって自律神経が整いやすくなります。
◆肩甲骨外まわしストレッチ
①胸の前で手を組み、手を前に伸ばします。
②背中を丸め、肩甲骨を開き、肩甲骨の内側が伸びるのを感じます。
③前に伸ばした腕を上下にゆっくり動かし、伸ばす角度を変えます。
◆肩甲骨内まわしストレッチ
①体の後ろで手を組みます。
②背筋を伸ばし、顔を斜め上に向け、肩甲骨を寄せて内側が縮むのを感じます。
③腕を可能な限り上に上げて、縮む角度を変えます。
④体を左右に振り、動かしながら縮めます。
◆ムービングストレッチ
①左下で横向きになり、右手を右側に開きます。
②右肩が浮いた状態で、右肘を大きくグルグルと回し、肩甲骨の内側が縮むのを感じます。
③反対側も同様の動作を行いましょう。
深呼吸をして、伸びている筋肉を意識しながらストレッチしましょう。
朝晩行うと効果的ですよ。
太ももは前後ともによく伸ばす
「痛いのは腰なのに・・」と思うかもしれませんが、特に太ももの裏側のストレッチは、腰痛予防と軽減の両方に効果的です。
◆太もも前ストレッチ
①横向きに寝て、上になっている足をお尻の後ろへ引きつけます。
②床に両膝を曲げて座りお尻を床につけましょう。足の甲も床につけます。
③両手を後ろへつき、徐々に後ろに倒していきます。但し体が痛い場合は、無理に背中を床につけないようにしましょう。
◆太もも後ろストレッチ
①胸を張り、背中が丸まらないように立ちます。
②脚を腰幅に開き、右足を半歩前に出します。
③胸を張ったまま、お尻を後ろに引くイメージで左膝を曲げ、背中と右足で「く」の字を作りましょう。
④手は太ももの中央部に置き、太ももの裏側が伸びていることを感じましょう。
左右20秒キープし、2~3セット行いましょう。
腰痛の原因となる、太ももの血行不良の改善が期待できます。
体をねじるストレッチも効果的
体の凝りをほぐすには、「ねじる」動作が効果的です。
しっかりと体が伸びるだけでも、スッキリした気分になりますよ。
①片方の手で片膝を押さえ、もう片方の手は頭の上にまっすぐ伸ばします。
② 肩やひざが床につかなくても力を入れず、全身の力を抜きましょう。
③リラックスした状態で6回深呼吸をします。
左右1回ずつ×3セットが目安です。
無理のない範囲で、徐々に肩とひざが床から離れないように意識してみましょう。
無理なストレッチは逆効果の場合もある
ストレッチを行うのは、筋肉を緩めるためですが、間違ったストレッチをしてしまうと、逆効果になる可能性があります。
早く腰痛から開放されたいからと言って、過度に伸ばすことはやめましょう。
筋肉の中には、伸ばされる長さや張力を感知する「筋紡錘(きんぼうすい)」と呼ばれるセンサーがあります。
筋肉をストレッチする際、このセンサーも一緒に伸びています。
ストレッチで痛みが出るまで筋肉を伸ばしてしまうと、センサーが「このままでは筋肉が切れてしまう」と感知し、防御反応を起こし筋肉を収縮させてしまいます。
この防衛反応を働かせてしまうと、ストレッチが逆効果となり、腰痛を加速させてしまいかねません。
ストレッチの際には、ゆっくり・気持ちのいい伸びを感じるところまで筋肉を伸ばすようにしてくださいね。
「痛い=効果がある」ではない事を覚えておいてください。
まとめ
子育て真っ只中で忙しい日々ではあると思いますが、子どもを抱っこやおんぶする時は、なるべくきれいな姿勢を保ち、腰への負担を少なくしてみてください。
また、腰痛は一度経験すると癖になることもあるので、生活にこまめに正しいストレッチを取り入れ、腰痛の対策をしてみてください。
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