
うちの子は保育園に行ってないから、他の子に比べて自分で自分のことができない気がする
小学校に通うようになって、「保育園育ち」か「幼稚園育ち」かどうかが気になってくることありませんか?
小学生くらいになると、特技や苦手なことがはっきりしてくるから余計そう感じるのかも知れませんね。
- 保育園育ちと幼稚園育ちを比べることに価値は無し
- 保育園育ちの子供の傾向
- 幼稚園育ちの子供の傾向
この記事では、保育園、幼稚園に通った子供の傾向と、成長に違いが出るのかについて紹介します。
保育園育ちと幼稚園育ちを比べることに価値は無し
- 子供の育ち方はみんな違ってるのが普通
- 保育園と幼稚園は比べるものではない
ここでは、子供の育ち方が違ってくることに対しての心構えを解説します。
子供の育ち方はみんな違ってるのが普通
母乳かミルクか、たくさん飲むかなどがみんな違います。
ハイハイする期間が長かったり、すぐにヨチヨチ歩きをはじめたり、発達の仕方も一つの個性です。
とはいえ、他の子ができていることが我が子ができないと、つい比べてしまいますよね。
しかし米国立小児保健・人間発達研究所というところが発表した興味深い研究結果があります。
- 20年近く1300人ほどの赤ちゃんを対象に、発達の仕方を調査
- 3歳まで主に母親と過ごした子と、保育園で育った子では、目立った成長の差は見られなかった
日本では「子供は3歳まで、母親が面倒をみてあげるもの」という「3歳児神話」が、いまだ根強いです。
専業主婦で子供を育てたおばあちゃん世代に論文の結果が広まり、今もそうすべきだという考えが残っていることがあります。

しかし育ちの違いからくる成長の差には根拠がないので、両者を比べることに意味はないでしょう。
保育園と幼稚園は比べるものではない
保育園と幼稚園は、そもそも違った「目的」をもって生まれた施設です。
- 保育園…働いていたり病気、妊娠や出産など、親が見れない代わりに、子供の成長に寄り添うための施設
- 幼稚園…小学校への準備をするため、教育を目的とした施設
乳幼児期は親や大人との愛着形成が大切な時期です。
喜んだり悲しんだりなどの子供の感情に、声かけをしたり認めたりして寄り添うことを大切にしています。
- 生活する中で必要な体力をつける
- 「自分のことは自分でする」という主体性を大切にしている
- 食育をテーマにしているところが多く、手作りの給食や、自分で栽培して味わう大切さを学ぶ
対して、幼稚園では小学校に上がる前のお勉強、つまり教育が主な目的です。
- お友達と協力して一つのものを作ったりして、社会性や協調性を養う
- 感情への折り合いのつけ方を学んだり、ルールを守ることを学ぶ
- お友達と一緒に学び、成長する喜びを味わう
そもそもの目的が違うので、小学生になった時の子供の特徴にも違いが出て当然です。
保育園では個性を大事にされますが、幼稚園では周りとの協調が重視されます。

保育園しか行かせてないから、ある程度自分で自分のことはできても、わがままな気がする…
などと、つい育ちに原因を求めて比べてしまいがちです。
保育園育ちの子供の傾向
- 自分で着替えたり靴をはくなど一通りのことが自分でできる
- 自分で何でもするなどたくましく育つ
- 忙しい親が多いため躾(しつけ)が保育園任せになることもある
ここでは、保育園に通った子供の傾向について紹介します。
自分で着替えたり靴をはくなど一通りのことが自分でできる
保育園では、「自分のことは自分でする」という、生きていくうえで大切な自立心を養います。
あいさつをしたり、手を洗ったり靴を履いたり等、基本的な日常生活に必要なことを教えてくれます。
トイレトレーニングなど、親が感情的に叱ってしまうような事でも保育園では育児のプロが、毎日根気良く見守ってくれます。

保育園に通い出してから、お返事をしたり自分でできることが増えて、目に見えて成長した!
と驚くママも多いです。
自分で何でもするなどたくましく育つ

保育園育ちの子は、自分の意思をはっきり言ったり、幼稚園育ちの子よりたくましい印象がある
というママも多いでしょう。
保育園は「児童福祉施設」といって、親ができないお世話や教育を補う場所です。
保育園では長時間預かってくれるので、自分で靴ひもを結んだり、ボタンの着脱をする機会も多いです。
そのため、幼稚園育ちの子供より生活の上で自立するのが早い傾向があります。
忙しい親が多いため躾(しつけ)が保育園任せになることもある
保育園は忙しかったり様々な事情がある親に代わって、子供の生活を見てくれる施設です。
そのため、親が中心に躾(しつけ)をするというより、保育園の方針に従うことが多くなります。
- 幼稚園にはないお昼寝の時間があるので、家で就寝する時間が遅くなることがある
- 帰宅時間が幼稚園より遅いので、夕飯やお風呂などが夜にずれ込みがち
- 読み書きなどを教えないまま、小学校に上がることがある
そのため保育園育ちの子供に対して親がしたいフォローは、以下のようなものになります。
- 子供の個性を重視する保育園の教育と、集団生活を大事にする小学校とのギャップを覚悟する
- 家庭の中でルールを決めて守らせたり、集団生活で必要なことに慣れさせておく

例えば、ママやパパが話がある時は、座って目を見て聞くようにするなど、小さなルールを決めましょう。
幼稚園育ちの子供の傾向
幼稚園で子供を集団生活にデビューさせる家庭も多いでしょう。
- 就学前に読み書きなどの体験ができる
- 降園後に習い事に通う時間がある
- つい親が手を貸しすぎて過保護になる傾向もある
ここでは、幼稚園に通った子供の特徴について紹介します。
就学前に読み書きなどの体験ができる
幼稚園は「小学校で学ぶことの幼いバージョン」といえるような体験をします。
年長クラスになると、自分で作った作品や絵に、自分で名前やタイトルを書けるようになります。
また、音楽会や生活発表会に向けて、長時間かけてお友達とじっくり協力して取り組む機会もあります。
一方で、何も読み書きを習わないまま小学校にあがることで、好奇心から伸びる子もいます。
保育園と幼稚園、どちらの育ちが良いとは、一概には言えないかもしれませんね。
降園後に習い事に通う時間がある
保育園では親が働く時間によっては、夜7時頃まで預かってくれるところも多いです。
幼稚園は「教育施設」と位置付けられています。
その後の過ごし方は各家庭で様々です。
お友達と遊びに行ったり、習い事に通わせることもできます。

帰ってからも毎日制服のまま公園に通い、親や子供同士が仲良くなり、小学校でも友達のまま!
というママもいます。
つい親が手を貸しすぎて過保護になる傾向もある
幼稚園から子供を預けると、以下のようなデメリットがあるという声もあります。
- 主体性が身についていない…親子が一緒にいる時間が長いので、教育熱心だったり、親が干渉しすぎることがある
- 小学校での給食に戸惑うことがある…公立幼稚園では毎日お弁当のところも多く、ママが好き嫌いに合わせて作ってくれるのに慣れてしまう
幼稚園育ちの子供に対して親がしたいフォローは、以下のようなものになります。
- 「自分のことは自分でさせる」という意識を大事にし、手伝いたい気持ちをぐっと抑える
- 「周りと合わせることも大事だけど、自分のしたいことを大事にしてもいい」ということを教える
保育園で身につく「自分のことは自分でする」という自立心よりも、幼稚園では社会性を大事にします。
できないことを叱らず、まずは話を聞いてあげたり、挑戦できるよう背中を押してあげましょう。
まとめ

自分は保育園に通わなかったから、小学校でも大人しく、友達もできにくかった気がする
どちらを選ぶにしても、どの保育園や幼稚園を選んだらよいかなど、子育ては選択の連続です。
どういう育ち方をしたとしても、子供自身の育つ力に勝るものはありません。
「親にできることは背中を押してあげることくらい」と気軽に構え、比べずにいてあげたいものですね。
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