「子供が甘えてきて嬉しいけど、ちゃんとしつけができているのか、甘やかしすぎてないか心配」
不意に抱き着いて来たり、用事もないのに「ママ―」と何度も呼んできたり…。
親として、子供に甘えられるのは至福の時間ですよね。
この記事では、子供が親に甘える時の気持ちや、甘えられたときにどのような対応をすると良いのかについてまとめました。
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子供が甘えん坊なのは当たり前
子供も小さいうちは足元にまとわりついて離れようとしなかったり、真っすぐに親に甘える姿を見せてくれます。
子供の甘えは親の愛情を確認する行動
自己肯定感とは、
「自分はこの世界に必要な存在」
「自分はここにいても良いんだ」
と信じることができる安心感、心の土台のことです。
自己肯定感を育むには、親が子供をほめることも有効ですが、それ以前に
「子供の甘えを受け入れてあげる・大事にする」
ことが大切です。
二つの真逆の心理を行ききするので、ママは「甘えたいの?自分でやりたいの?」と、戸惑ってしまいます。
こうした矛盾した心理は、赤ちゃんがママに完全に依存した状態で生まれてくることが原因だとされています。
- 生まれてから数カ月は自分の意志で何もできず、親に甘えることで安心感を得る
- 甘えが満たされて安心すると同時に、自分では何もできない「不自由さ」も感じる
小さな子供は、公園などで少し遠くまで走ってみたものの、知らない人に出くわしたりして急に振り返り、「ママ―」といって不安そうに抱き着いてくることがありますよね。
こうしたことを繰り返して、子供は親の愛情を確認して安心しながら徐々に自分の世界を広げ、大きくなっていきます。
愛情=甘やかすことではない
甘やかす(甘えを受け入れてあげる)べき時期もありますが、子供ができることが増えていくのに合わせて、親も甘えへの対応を変える必要があります。
- 0~3歳…自己肯定感(甘えを受け入れられて、自分を大事にする気持ち)を育てる時期
- 3~6歳…子供をたくさんほめてあげたり、悪いことをしたらきちんと叱る時期
- 6歳以降…子供が自主的に勉強するようサポートしてあげる時期
「甘やかすのが愛情ではない」からといって、「甘やかさない、甘えない子に育てる」こともまた、愛情ではありません。
「甘えない子供が早く自立できる」わけではなく、「甘えを受け入れてもらって愛情を確認し、安心感という土台ができている人が自立できる」と言えます。
子供が「自分でやる」といっているのに、「どうせまだできないんだから」と言って、ママやパパが何でもやってあげるのは愛情ではありません。
子供が親に甘える心理
子供が駄々をこねたり要求が通らないとすねたりするのも、親に甘える行動の一種です。
環境の変化や体調不良の時
風邪で高熱が出ていたりして、不安から甘えん坊になることもあります。
また、環境が変わったときも不安定になり、親の愛情を確認して安心しようとします。
- 親の仕事が忙しくなり、構ってもらえる時間が減った
- 下に弟や妹ができて、「お兄ちゃん(お姉ちゃん)なんだから」と、突き放されたように感じて寂しい
- 保育園や幼稚園に入り、集団生活で普段やりたくないことを頑張っているので、家ではホッと安心して、できることも「できない」と言って困らせてしまう
ママが赤ちゃん(下の子)のお世話に忙しくなったり、保育園などの生活になじむことは大きな不安を伴います。
そんな時にわがままを言ったり、おっぱいをあげていて手が離せない時に限って「抱っこ~」と自分のことを変わらず気にかけてくれているのか確認しようとするのです。
親の関心が自分以外の兄弟や他の子に向いているとき
子供が親に甘える行動には、以下のような種類があります。
- 抱っこをせがんだり、スキンシップを取ろうとする
- 親や周りの大人を「なぜ?」「これはなに?」「どうして~なの?」などと、しつこく質問攻めする
- 駄々をこねたり、わがままを言う
- 頑張ればできるのに、「やりたくない」「いやだ」「できない」などと言う
- 望んだとおりに親が行動してくれないと、身体を動かしたり泣いたりして暴れる
- 弟や妹、ママが可愛がっているお友達などにちょっかいをだしていじめる
特に初めて弟や妹が生まれると、今まで独り占めにできていた親の関心が、目が離せない赤ちゃんの方にばかり向いてしまい、単純に面白くなくなってしまいます。
下の子が小さいと、お出かけしてもいたるところで周りの大人から「可愛いね」と注目されます。
するとお兄ちゃんやお姉ちゃんとしては、「自分のことは誰も注目してくれない」と、寂しい思いを抱えてしまいがちです。
子供の甘えにきちんと応えることが大切
子供の甘えは、下の子のお世話や家事、仕事で忙しいパパやママにとって、うっとうしく感じることもあるでしょう。
しかし甘えられたときに、なるべくきちんと応えてあげることは大切です。
よくほめてやる
いつでも甘えに対応すればよいのではなく、「甘えと自立は別物」だととらえることは大切です。
- 「欲しい」とねだられたら、お菓子やおもちゃなどを何でも買ってあげる
- 自分でできる事なのに、周りの大人がすぐに助けてあげる
- 公共の場で暴れたり、我慢させないといけないことを我慢させず放置する
こうした甘やかしは、さらに甘えやわがままが加速して、自立を妨げるおそれがあります。
- 子供が甘えようとしている背景(気持ち)を理解し、求めているスキンシップをとってあげる
- わがままを言っても頭ごなしに叱らず、しばらく抱っこしたりひざに乗せて遊ぶなどして、大切な存在だということを行動で表現する
- 親の都合を考えず質問攻めにしてきても、「信頼する親だからこそ知りたい気持ちを満足させてほしい」と思っているので、きちんと付き合ってあげる
忙しい大人にとっては、こちらの都合を考えない甘えは面倒に感じてしまいますが、子供にとっては親との大切なスキンシップの時間です。
と思って、今は甘えに時間が許す限り付き合ってあげたいものです。
スキンシップを十分にとる
子供にとって肌と肌が触れ合うスキンシップは、大きな安心感を得られます。
下の子のお世話などでどうしても忙しい時は、以下のようなスキンシップを心がけるのもおすすめです。
- 8秒間ほど抱っこをする
…子供は短い時間でも、抱っこやハグで愛情を感じ、気持ちを安定させることができるとされています。 - オーバーリアクションやわかりやすい言葉で、おおげさなくらい愛情を伝える
…パパやママから叱られることが多い上の子は、愛情不足を感じがちなので、「愛されているのはわかっているはず」と思わず、言葉できちんと愛情を伝えましょう。 - 叱ったりしてしつけることも大事だけど、その後ほめることを忘れない
- 欲しいものを買ってあげる、学校行事に参加するなどだけではなく、抱っこや頬ずり、手と手をつなぐ、よしよしするなどのスキンシップで愛情を伝える
忙しいママのなかには、子供に置手紙を書いて残すこともあるかもしれません。
大好きだよなどの愛情をきちんと伝える
子供の甘えに応じたり、スキンシップを取ることがどれほど大切かを調べた研究がありました。
ミルクを与えたり排泄のお世話はしますが、ママが話しかけたり笑いかけたり抱っこしたりのスキンシップは一切断ったのです。すると実験を行った55人の赤ちゃんの内、44人もが成人に達する前に亡くなってしまったのです。生存した子達にも、知的・精神的な障害がみられたと報告されています。
こうした研究から、物質的な要求にこたえるだけではなく、子供の心に寄り添った要求に応える、「甘えを受け入れる」ことの大切さが知られるようになりました。
子供の物質的な要求に応える…「お小遣いちょうだい」「おもちゃが欲しい」などに応じるのは、「甘やかすこと」になる。
制限を付けることが大切です。
愛情のこもった言葉をかけてもらったりせず、時間がないからと物を与えられてきた子は、自分の不満や寂しさを物で埋めるようになってしまいます。
まとめ
「甘えさせる」と「甘やかす」は似ているようで、子供の成長を考えてのことか、大人が今、楽をしようとしているかどうかが違うのかもしれません。
どうあやしてよいかよくわからないので、手っ取り早く物で子供の心を満たしてしまうというわけです。
たまになら良いかもしれませんが、その後パパやママが「いつも〇〇にしているから買ってもらえたのかもしれないけど、本当はお金をたくさん使わせるのは良くないことなんだよ」などと、きちんと軌道修正してあげられると良いですね。
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