流産は、口には出さないだけで経験している女性は多いものです。
- 流産の主な症状
- 流産の種類
- 流産の原因
この記事では、これらの流産の兆候などをわかりやすく紹介しています。
また、赤ちゃんが胞状奇胎(ほうじょうきたい)という状態になることも、妊娠の継続が難しくなることを紹介した、以下の記事もおすすめです。
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流産の主な症状は出血と腹痛を伴う
流産には自覚症状がないものもありますが、多くは出血や腹痛を伴います。
下腹部が継続して強く痛む
- 陣痛のように波のある腹痛
- お腹が張る
- 鮮血がドバっと出たり、出血がダラダラ続く
下腹部が痛むことは、妊娠中にはよくあることです。
- 継続して強く痛む場合
- 腰痛や、下腹部が重い、だるい感じがする
ただし、これらの場合は赤ちゃんを包む胎嚢(たいのう)が体外に出ようとしていたりなど、何らかの異変が起きているおそれがあります。
ぎゅーっと締め付けられるような痛みがある
流産は週数が進むにつれて母子共に体の変化も進んでいるので、痛みも強くなります。
と振り返る人もいます。
他にも、
- つわりが急になくなった
- 基礎体温が低くなった
などの兆候も出る人もいます。
茶褐色や鮮血の出血がある
流産と聞いて想像するのは、ドラマなどで代表される「足の間から、赤い血がツーっと出ている」シーンではないでしょうか?
「手術によって子宮の内容物を取り出す」「自然に赤ちゃんが出てくる」のいずれの場合でも、流産の多くは出血を伴います。
ダラダラと茶褐色の出血が続くこともあります。
流産の種類
流産にはその原因や状態によって、いくつかの種類があります。
切迫流産
切迫流産は文字通り、
- 「流産が差し迫っている状態」
- 「流産しそうな状態」
のことです。
しかし妊娠12週未満だと、切迫流産に有効な薬も期待できないことが多く、安静にしながら経過観察することになります。
稽留流産
稽留(けいりゅう)流産は、赤ちゃんが子宮の中で亡くなってしまっている状態を指します。
動画が説明するように、妊娠の初期の段階で起こることがほとんどです。
子宮の中に留まっているので、出血や腹痛などの自覚症状がないことも多く、産婦人科の超音波で判明します。
出血が始まり流産が進行していく進行流産(しんこうりゅうざん)へとつながるか、手術で子宮の内容物を除去することになります。
感染流産
感染流産には、いくつかの種類があります。
- 妊娠中に風疹にかかることで、流産のリスクが上がったり、赤ちゃんに難聴や心臓病などの疾患が出る
- 生肉などについている細菌に感染し、赤ちゃんの発育に影響してしまう
母体が細菌や病原菌におかされると、胎盤(たいばん)を通して赤ちゃんにも影響が出ることがあります。
化学的流産
化学的流産とは、まだ胎嚢(たいのう:赤ちゃんが入っている袋)が作られ確認される前の時期に流産してしまうことです。
- 基礎体温を毎日つけている
- 生理予定日より前に、フライングして妊娠検査薬でチェックし、陽性反応を見た
など、妊活を積極的に行っている場合、陽性反応を見たのに生理が来ることで、化学流産したことに気付くことになります。
流産となる原因とは
流産にいたる原因のほとんどは、特に初期では母体側ではなく、90%ほどは赤ちゃん(受精卵)にあるとされています。
胎児の染色体異常や遺伝子病
流産の9割が妊娠12週未満の初期にみられ、なかでも
- 受精卵(胎児)の染色体異常
- 遺伝子の構造に異常がある
といった原因が大半とされています。
受精卵の染色体に異常があることは、決して珍しいことではありません。
母体側の感染症
卵の染色体異常や遺伝病に関しては、妊娠中、妊娠前の努力ではどうにもなりません。
母体が細菌などに感染することによる流産は、以下のように気を付けることで予防することができます。
- 生肉に素手で触らない、加熱処理をしてから食べる
…野菜と肉を切るまな板をわけたり、手袋をして調理する。
生肉の表面にいる細菌に感染しないよう、火を十分通して食べる。 - 素手で土いじりや、ペットの糞を掃除しない
…犬や猫、鳥などの動物の糞尿には、トキソプラズマという細菌がいることがある。
手袋をして処置をするか、触った後は手洗いをよくする。
また、外から細菌を持ち込まないように、ペットは完全室内飼育をする。 - 風疹の予防接種を受ける
…妊娠中は受けられないので、妊娠を計画しているうちに医療機関に受けに行く
あまりに
「感染症にかかったらどうしよう」
と潔癖になりすぎたり、可愛がっていたペットを遠ざけるのは、かえってストレスを抱えるおそれがあります。
ストレスを感じない、できる範囲で感染症の予防をしましょう。
子宮の異常や黄体機能不全
「双角子宮」など子宮の形態に異常があると、流産や早産のリスクがあることがあります。
また、卵巣から出る黄体ホルモンの分泌が少ない、黄体機能不全が流産につながることがあります。
病院で膣剤を処方されたり、ホルモンを補充する注射をしてもらったりの対策があります。
まとめ
あってほしくないのに、多くの女性に起こりうる流産。
「仕事をセーブしなかったからかな」
「重い物を持ち上げたからかな」
などと自分を責めてしまいがちです。
赤ちゃんが来てくれたことには変わりないので、赤ちゃんも自分も責めないようにしたいものです。
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